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その7 民家は合理的で素直だった。
民家は独特な間取りや外観で個性的で特別な住まい思われているが、その生活ぶりや造り方を辿ってみれば、その全てがごく普通でこれ以上の姿・カタチは無く『なるほど!』と思うしかない。 以前民家は庶民の家で差別用語であったと言った… -
その6 民家はプレハブだった。
木造の民家はしっかり出来ている。 その木組には金物や接着剤をほとんど使わず、木と木を隙間なく組み合わせ、丈夫に造られている。 木と木を平行に繋いだ姿を継ぎ手といい、角度を変えて繋いだものを仕口というが、継ぎ手や仕口の形や… -
その5 民家は粗末な材で無駄なく造られた。
木造の民家はそのほとんどが大きくて立派な木材をふんだんに使って建てられていて庶民には手に届かない贅沢普請だと思われている。 それは全く逆である。 民家に使われている木材を見ると、曲がっていたり割れていたり節があったり、中… -
その4 民家は狭かった?
一般的に民家は大きく立派だと思われているが果たしてそうか?。 今の時代住宅は生活のためにだけの目的で造られているので床面積の目安は一人10坪。たとえば4人家族ならせいぜい40坪ほどでいいことになる。 その昔民家では様々な… -
丑梁の加工
土蔵風店舗の設計が終わり現在監理をしている。 土蔵の木構造は総二階の屋根を支える松材の丑梁が特徴だ。その丸太梁はなかなか見つからなかったが、ある民家の屋敷にたまたま枯れかかった手頃な太さの松の木があって、伐採して名古屋に… -
その3 民家は無意識で個性が無かった
住まいはいつの世も自然条件と社会条件の二つで構成されている。 民家は特にその地域の自然条件(風水害、日射、生物など)に大きく左右され、全国的には多様で固有の形態があるが、その地域では何々造といってほぼ同じ形態であることが… -
焼杉造り
16年前、藤森照信先生のお手伝いで『焼杉ハウス』を造った。その住まいをお施主さんが大層気に入って、ここに来て大幅な手入れが入った。お金も掛かるが嬉しいことだ。 16年もすると水回りや設備など流石に少し傷んだできたが、次の… -
その2 民家は人様の為に造られた?
今でこそ数が少なくなっているが、古民家は概ね立派で大きい。 昔の建物はその殆どが平家に屋根が架かっていて、間取りは主に土間・板の間・お座敷の3つのブロックに分かれていた。そこでの生活は主に家族の寝食・生産・接客であり、と… -
雀踊り
我が信州には本棟造という独特な造りの民家が沢山残っている。その正面屋根はウデを広げて家を守る様に緩い勾配の大屋根が架かっていて、棟には大抵『雀踊り』という棟飾りが乗っている。 これは当初石おき屋根の頂部を雨から防ぐ装置で… -
諏訪の民家・その後
先日の雪の日、数年前に諏訪で民家再生したお宅に伺った。 アプローチに立つと雑木が葉を落とし、枝から抜ける住まいのシルエットが浮かび上がり、雪景色の中では全てがモノトーンで静かだ。 深緑の頃、撮った写真も思い浮かべた。 よ…