差萱(さしがや)
33年前、当時小学校6年生の長男の卒業記念に
校庭に平出の復元家屋の小さいものを
保護者と卒業生皆で造って学校へ寄付した。
茅葺の仕事は思ったより大変だったせいか
懐かしくてその後も定期的に30年間
手入れをしてきたが、
さすがに70を越えるかつての保護者では手に負えないと学校に委ねた。
昨日、村の用事の都合で小学校の校庭を覗いた。
何とそこに茅葺きの復元家屋が綺麗に修理されて佇んでいるではないか!
古い萱と新しい萱が混ざり合って模様になり何とも言えぬ美しさだ。
当時のものより貫禄と味わいが増して佇んでいる!
すぐさま職員室に言って先生に名を名乗り聞けば、
児童と職人が皆で萱を差し込んで
鋏で丁寧にカタチを整えたのこと。
差萱という手入れだ。
大切にして守ってくれているのだ!
僕の母校でもある。祖父も親父も息子も孫も。
ありがとうございます!と言ったら
3人の先生が駆け寄ってきてそれぞれ3人の孫の担任です!と話してくれた。
僕は爺さんで、遥かに時が経ったのだと思うしかなかった。
ともかく感謝と感動であった。
川上