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民家の話 その11
民家は新築以上の価値がある。 これまで民家の仕事に関わってきて気づいたことを話してきたが、特に感じたことは、民家は新築以上の質と価値があるということだ。 一般的に建物は新築した時が一番良くて、時間が経つと汚れたり傷んだり… -
その10 民家は今よりはるかに大切に使われてきた。
民家の定義は難しいが、いわゆる『民家』と呼ばれるものは明治以降から戦前までの僅か100年間で、戦後は全くというほど造られなくなった この国は高度経済成長と共に核家族化が進み、早く安く便利な住宅が大量に造られ、庶民が簡単に… -
その9 民家の寿命は人の6倍
今でこそ民家は少なくなってしまった。そのほとんどが木造で、孫末代までも使い続ける様にとしっかり造られていた。何度もいうが・・。 一般的に『民家』は雨風に晒され傷まない様にと軒は深く、高さも抑えて、使われ方も手入れも欠かさ… -
松本の水巡り
地元松本で建築設計の仕事に就いてまもなく50年になるが、仕事柄かいつの間に松本のまちの歴史を知ることが増えた。 主にはまち歩きの案内人だ。頼まれて事前に調べなくてはならなくてそれが肥やしになっている。 松本は歴史的には宿… -
その8 民家はそのままで美しい。
前回民家はその造り方も使われ方も合理的で素直だと語ったが、今の時代には寒さ・暗さ・不便さと言った不合理な点も多々あり、改良しなくてはいけないことが多い。活かすか残すかという判断は極めて難しいと思うが、その行為全体が『再生… -
その7 民家は合理的で素直だった。
民家は独特な間取りや外観で個性的で特別な住まい思われているが、その生活ぶりや造り方を辿ってみれば、その全てがごく普通でこれ以上の姿・カタチは無く『なるほど!』と思うしかない。 以前民家は庶民の家で差別用語であったと言った… -
その6 民家はプレハブだった。
木造の民家はしっかり出来ている。 その木組には金物や接着剤をほとんど使わず、木と木を隙間なく組み合わせ、丈夫に造られている。 木と木を平行に繋いだ姿を継ぎ手といい、角度を変えて繋いだものを仕口というが、継ぎ手や仕口の形や… -
その5 民家は粗末な材で無駄なく造られた。
木造の民家はそのほとんどが大きくて立派な木材をふんだんに使って建てられていて庶民には手に届かない贅沢普請だと思われている。 それは全く逆である。 民家に使われている木材を見ると、曲がっていたり割れていたり節があったり、中… -
その4 民家は狭かった?
一般的に民家は大きく立派だと思われているが果たしてそうか?。 今の時代住宅は生活のためにだけの目的で造られているので床面積の目安は一人10坪。たとえば4人家族ならせいぜい40坪ほどでいいことになる。 その昔民家では様々な… -
その3 民家は無意識で個性が無かった
住まいはいつの世も自然条件と社会条件の二つで構成されている。 民家は特にその地域の自然条件(風水害、日射、生物など)に大きく左右され、全国的には多様で固有の形態があるが、その地域では何々造といってほぼ同じ形態であることが…