万葉の碑
我が故郷の小学校の片隅に古い石碑を見つけた。
なんと萬葉集に載っていると聞いて、時々口づさんでいた短歌だ!。
萬葉集の14巻、信濃の国の一首である。
当時支那から漢字が入ってきたばかりで大和言葉の謳を適当に漢字で書いたものだから、普通の人は読めないと思うがハッキリわかった!。
『信濃なる 菅の荒野に ホトトギス 鳴く声聴けば 時過ぎにけり』
我が先祖があまり豊かとはいえないこの地で永く暮らし続けて来た感慨を詠ったものだ。
もう一つ
『信濃なる 筑摩の川の 細石も 君し踏みてば 玉と拾はむ』
はあまりに有名な相聞歌であるが、我が故郷にもこんな萬葉人がいたことを誇りに思う。
石碑のそばには35年前我が息子の卒業記念にと父兄と児童が造った平出遺跡の復原家屋が佇んでいた。
川上