かわかみ建築設計室

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ヨロビ直し

今年もいくつかの民家再生の工事が進んでいる。

何れも築100年以上だから不陸やヨロビはあり、長い間にクセも付いていて
なかなか当初の様な
水平垂直には戻らない。
不陸はともかくヨロビ直しは難しく、
大変な仕事になるからそのままにして
表面だけ美映えよく直すのが一般的なリフォームだ。
構造は傾いたままなのである。

しかしそれでは根本的な治療にならず、家を傷つけるばかりだ。
そのためかわかみ設計では、大工さんの技術と経験に頼りながら、
出来る限り、柱と梁を水平垂直のとれた健やかな形に戻す努力をする。

ここでは天井を撤去して吹き抜けの魅力あるリビングに再生する計画なのだが、
先ずは仮筋やスリングによって時間をかけてヨロビを直しながらの造作となる。

馴染むまで時間がかかるが大切なプロセスである。まだ2ヶ月はこのまま様子見だ。

煤で真っ黒な梁や壁は、今までたまった垢を除かれ主役になって蘇る。
そのために根気のいる作業は続く。

その時を楽しみにして。

 

川上

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松岡フラスコ
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