もう一つのコヒガンザクラ
現在高遠で民家再生の工事が進行中である。
高遠城址公園のコヒガンザクラが満開だと聞いて、朝早くから監理を兼ねて向かった。
暖かい日差しの中で山裾の城下町はひときわピンク色の強いコヒガンザクラに覆われていて、大勢の見物客を迎えていた。
人混みを避けて帰りは茅野方面の杖突峠を通ることにした。
そこは谷あいの街道で、知る人ぞ知る民家が連なっている宝庫である。
安心と懐かしさが続く。
遠くの集落の中に不思議な景色が飛び込んできた。
満開の桜に囲まれて野天のバスケットコートだけがポツンとある。
近づいて車を降りると鍵のかかった切り株型のトイレもある。
浄化槽付きだから立派な水洗式だ。
アスファルトの駐車場の先は桜並木の遊歩道となっている。いいところだ。
看板もあった。
中山間地の活性化を計る目的なのだろうが、花見客がおらずどこか寂しそうである。
「また来るからね!」と呟いてその場を後にした。
川上