長屋門と本棟造り
先日設計の仲間から松本郊外の民家の相談があって伺った。
現地に行って驚いた。
曲がった道に面して大きな欅の屋敷林と長屋門が構えている。
奥には堂々とした本棟造りの主屋が見事な石畳の向こうに控えている。
松本平ではたくさんの民家を見てきたが、まだまだかなり残っているのだ。
立ち会ってくれた持ち主に聞くとかつては庄屋さんで、30年ほど空き家だという。
内部を見せてもらうと間取りは典型的な本棟造り。築200年は経っていると思われるが保存状態もいい。
よく見ると農家のそれとは少し違い、武家住宅の趣と構えである。
格式と品がある。屋敷も含めすべて処分するしかないとの話だ。
もったいない!
今できることは建物の嫁入り先を探し、欲しい人に使ってもらえるよう情報を流すことぐらいだ。
長屋門だけでも生かしたい。門の役目の他に屋根つきの車庫にもなるし、外物置にもなる。
何より構えがいい。
母屋は現代の住宅としては大きすぎるが、本棟造りの構えは活かしつつ小さくしてよみがえらせることができる。
木材と技術はすべて純粋に地元産だ。
誰か欲しい人が現れればいいのだが・・。
ぜひご一報を。
川上