かわかみ建築設計室

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コンクリートの洗い出し

72歳となって今も設計の仕事を続けているが、流石にズクが無くなって最近はもっぱら帰宅が早い。

更に工事ではお金も上がり、職人も激減している。

おまけに性能や使い勝手や制限などばかりが求められて、本来の目的が叶わなくなってきた気がする。

一体この国の家造りは何処に向かっていくのか?。

暗い気持ちは引退も考える。

住まいとは皆が健康で楽しく暮らし続け、色々な意味で帰る。唯一で大切な場所ではあるが、人並みであれば特別である必要はないと思う。その事は民家が教えてくれているが、昨今は便利で安く速く、そして周りと違うことが優先になっていないだろうか。

ところで家の軒先で見かける犬走りは昨今コンクリート金鏝で仕上げられているが、ここは何気なく大切な場所だと思う中で、お金を使わずにもう少し味わい深いものにと考えコンクリートの洗い出し仕上げをやって貰った。

設計仲間は以前からやっていたようだが、ボクも最近は家の外回りや玄関の土間までやっている。

基礎屋さんに頼んで、硬めのコンクリートを打った後、その表面を固まる前に水で洗い落とすと中に入っている小石が出てくる。ちょっとコツと腕がいるがそんなに難しく無い。

滑らないし剥がれないしお金もかからないし、使っていると汚れてきて叩きの土間の様になり、更に味わい深いものになる。

民家ばかりで無く、新築の軒先もこの仕上げにしている。たとえ僅かでも豊かな時空を感じられればと、もう少しこれからも何かしら工夫をしていきたい。

川上

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松岡フラスコ
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