民家再生工事の餅投げ
木曽川の源流に沿った山裾に小さな民家集落があり、そこで再生の工事がすすんでいる。
昔から家造りでは、建前時には必ず親戚縁者や近所中が集まり、上棟式をしてお餅を投げてお祝いをしたが、今はほぼやらない。
民家再生工事でもやらないものだが、お施主さんのたっての願いでやることになった。
上棟式と餅投げは元からある民家の屋根が葺き替えられた時とした。
夕方棟梁が神主の代わりになって厳かに祝詞を唱え、それから餅投げである。
どこからともなく湧く様に老若男女がたくさん集まって来て、施主家族や棟梁らが投げた餅やお菓子を夢中で拾っている。
時間をかけて施主の用意した沢山の振る舞いものはほぼ3分で空になった。
興奮の騒ぎは笑顔に溢れた。
秋の日差しが陰ってきた文化の日である。
やって良かった。
川上