かわかみ建築設計室

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菩提寺の再生

長年相談のあった歴史ある菩提寺の本堂の耐震改修と
庫裏の再生の工事が終わった。

庫裡は住職の仕事場でもあり住まいでもある。接客用のお座敷も続いている。
宝物のほかに書物もたくさん保管している。
こちらは幸運にも耐震診断はクリアしたが、寒くて暗くて保管場所も執務室も
無く使いづらいために『再生』を目指した。

火事などで何度も建て替えられていて現存する本堂は築150年以上経ている。
一般の耐震改修方法では壁が増え、機能上支障があるが、限界耐力計算による
耐震補強方法だと床下のダンパーや窓上下の壁の補強のみでクリアでき、
機能上や見栄えでの支障が殆どない。これを採用した。

基礎土間コンの完了と足固めのダンパー

窓下の腰壁補強

本堂は基礎の補強の他、この際と畳や襖・壁や照明も換えて健やかに蘇った。

工事完了後の本堂

庫裡は規模・質共最も高い民家でもある。その本質は揺るぎないものであるが、時の状況によってやや簡易な改修がなされていた。痛みも多々認められた。

庫裡の断熱工事

工事中の庫裡

再生後の土間

そこでその本質を維持しながら快適な空間にと再生を目標にした。
足掛け5年、檀家の理解も得て見事に蘇った。ことに広い土間は圧巻である。

再生後の本堂・庫裡


仕事とはいえまたとない貴重な経験となった。

川上

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松岡フラスコ
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