かわかみ建築設計室

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民家の生きバラシ

安曇野の北西部に築130年ほどで大きな養蚕農家が残っている。

お施主さんのご実家でここで生まれ育ったという。
これを使って新しい建物に移築出来ないかとの相談で設計が始まっている。

現代は当時とは全く違う機能と用途で複雑で、
これらの問題を解決するには時間と知恵がかかる。
途中ではあるが、既存の民家を活かす形で解体保存する工事が始まった。

最も大切なことは既存の木組みをそのまま使う様にすることだ。
そこには貴重な木材と共に技と記憶が染みついている。
番付をして養生をして瓦を降ろし壁を壊して丁寧に解体して行く。
とくに木組みは順序良く仕口と継手に注意して外してゆく。

慣れた職人でも気が抜けないという。そして当時の技に脱帽だとも。
とにかく木材や石の生きバラシが終わって運搬し広い倉庫に保管した。

いつものことだが、これを見ると果たしてこれがまた元どうりに組み直せるのかと不安になる。
気持ちを奮い立たせ、お施主さんや職人と希望を持ってやろうと激励する。


とにかく全てはこれからである。

川上

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松岡フラスコ
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