かわかみ建築設計室

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再生を待つ茅野の民家

築100年、使われなくなって30年、都会からIターンのご夫婦が茅野市郊外の空き家を購入されて再生の相談があり、計画が進んでいる。

遠く八ヶ岳を望む高台に建つ農家住宅で、周りに畑のある広い敷地には池を挟んで土蔵と蚕室造りが守り神のように佇んでいる。

当時の生活の様子や環境の変化を想像して見るとなんとも言えず愛着が湧いてくる。
ここまで残ってくれてありがとうと言う気分だ。

新しい施主と相談して今後100年、味わいと新鮮さと耐力を維持して使えるものにと目標を定める。
まず、かなり傷んだ土蔵を修復して趣味の離れとし、その後、母屋にかかり基礎から屋根までを大改修する。

現在は土蔵の再生だ。

 

置き屋根を葺き替え、基礎を補強し、栗の床板を張り直し、外壁を漆喰で塗り直している。

設計する側も常に即決でしかも最善の治し方を求められるが、それ以上に技術と手間のかかる仕事である。
中でも職人さんとの相談は欠かせない。

経験からくる適切な判断は、自信を持った仕事が必ず残る。
一方事務所では所員が母屋再生の実施設計を進めている。
チェックして細部を調整したあと、いよいよ工事を進める段取りに入るが、工期はギリギリとなってきた…。

川上

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松岡フラスコ
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