民家は差別用語であった?
民家とは古くて立派で逞しい住まいと思われがちだが、
江戸時代に始まる用語で、実は武士が『お屋敷』と区別した庶民の住居で農家・町家・漁家などのことで、
質も規模も低いとみなされた住居の事を指した。
それは士農工商の身分制度の中で、武士から見ると低い地位の差別用語であった。
現在の民家のイメージは『古民家』のことを指し、およそ戦前までに建てられた立派で伝統的な住居と思われている。
昨今はかなり質の高いイメージで特別な価値があると見られ、流行にもなって利活用されてきた。
意外にも外国人に高く評価されていて、相談されることが多い。
我々日本人こそ誇りを持って積極的に利活用していけたらと願うところである。
ちなみに古民家の再生工事は特別でかなり高額と思われがちだが、
意外にも新築以下の工事費で出来る。
その木材を再利用して別の敷地に建てるという『移築』でもほぼ新築並みの費用で出来る。
昨今の民家再生は安価で上質で特別な価値があり、逆に差別化できる行為かと思われる。
つづく。
川上

