かわかみ建築設計室

ブログ

雀踊り

我が信州には本棟造という独特な造りの民家が沢山残っている。
その正面屋根はウデを広げて家を守る様に緩い勾配の大屋根が架かっていて、
棟には大抵『雀踊り』という棟飾りが乗っている。

雀踊り

これは当初石おき屋根の頂部を雨から防ぐ装置で、『用の美』として必要なものだったのが、
次第に実用を超えて見栄もあり立派な飾りとして必ずつけられる様になった。

沢山の本棟造の再生をしている自分もカタチを気にして定番を考えたが、今はまた用の美という原点に帰り、屋根棟を保護するためだけのカタチを模索している。

屋根は緩い勾配で瓦葺きは向かないので石置き屋根からガルバリウム葺きに代わった。
そこで屋根棟の端部の雨塞ぎにと大工さんに作ってもらった。

最新の雀踊り

正面は定番の立派なものにして、裏側は小さくしたがこれも棟飾りとしていいと思う。

とにかく民家は長年の間に培われた知恵と技と風格がカタチとして残っている。

新しさのための変化も必要だが、それらの継承もまた大切だと思う。

本棟造

川上

建築・まちづくりに関するお悩み、ご相談はこちらまで
TEL0263-33-8200
松岡フラスコ
go top