松本の水巡り
地元松本で建築設計の仕事に就いてまもなく50年になるが、仕事柄かいつの間に松本のまちの歴史を知ることが増えた。
主にはまち歩きの案内人だ。頼まれて事前に調べなくてはならなくてそれが肥やしになっている。
松本は歴史的には宿場町的城下町と近代化遺産の都市である。岳都・学都・楽都の3ガク文化都市でもある。その他にも山紫水明の水の都でもあるのだ。
ある案内役で井戸や水路についても話して欲しいとの相談に、今までは当たり前に気にも止めていなかったが改めて歩いて調べてみるとたくさんある。それらが如何に特有の宝であるかと。
井戸の数は無数にあり大切に使われ、その流れはせせらぎとなって街中を巡っていた。利水・治水・親水がそのまま整っていたということに改めてビックリである。
なのだがこれらが意外と無視されて、水路は塞がれ、水は流れずゴミが溜まっている窪みがあるだけの現状だ。。
観光面では「松本の水」を謳っているが、改めてこの宝を皆んなで活かさなくてはと。それには先ず見直す意識と手入れが不可欠だ。「水の都松本」の復活を切に望む。
川上