二つの本棟造りの再生
9月、昨年暮れから同時に始まった二つの民家再生の工事がほぼ完了した。
共に明治中期の本棟造りである。少し立ちが高いが内外共に素晴らしい。
設計や工事は建物に敬意を表して丁寧に、心を込めてしかも己を殺して進めるのがモットーだが、
思った以上に素晴らしくなるので感心する。
同時に達成感が大きい。残念だがこれは新築では味わえない感覚である。
改めて先人の技や知恵の蓄積と時間が織りなす味わいと魅力が積み重なっている。
耐震性や断熱性や使い勝手という機能は勿論最先端で対応するが、更に時代を貫く美しさで満たされている。
こちらは40年以上同じことをやっているだけで進歩はないが、それでも満足感はついて回る。
これからもまた同じようなことを続けるしか能はないが、それでいいかとも・・。
川上