かわかみ建築設計室

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重伝建 指定に向けて

我が生まれ故郷、塩尻市の平出村が、伝統的な農村集落として国に認知され、地元でも理解と周知のため、勉強会を重ねてきた。国の重要伝統的建造物群保存地区の候補に上がっているのである。

日本らしい集落がなくなっていく中、貴重な景観を守ることを、国が後押ししてくれる制度である。今までに全国で105地区が指定されている。

前例の現状を見ようとこの日曜日、群馬県の赤岩地区というかつての養蚕集落に、約20人で視察に向かった。

赤岩

そこは10年前に指定された浅間山麓の谷間の小集落である。
地元の教育委員会や住民が我々を迎えてくれた。挨拶と失敗談を含めた正直な現状説明をいただいた後、彼等は集落をくまなく案内してくれた。

説明会

視察

 

重伝建

その話の中で、集落景観や環境といったハードの面は補助金や優遇税制もあって何とか残せるものの、肝心の人間の方は、後継ぎがいないこと、仕事がないこと、少子高齢化などの問題解決が難しいと伺った。
我が故郷平出を考えた時、そんな心配はあまりなく、集落としての未来は安泰に感じられるのだが、住民は重伝建への指定にいまいち消極的なようである。

恵まれた環境に甘え、自分の故郷の希少性や豊かさを感じていないのではと思う。今回出席した20名は保存の必要性、重要性を確信したと思うが、それ以外の住民はどうなのだろう…。

自分はもちろん推進派で、村のためを思ってそうすべきと信じているのだが、民家再生を生業としているために、仕事目当ての下心で進めようとするのだと疑われてしまう。誇りと、故郷の美しさへの自覚を持ってこの地で暮らしたいだけなのに…。

とにかくこの動きは平出にとってまたと無い良い機会である。
なんとか先に進めたいと切望している。

川上

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松岡フラスコ
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