遺作
昨年の暮れ、同い年で長年お世話になった
ステンドグラス作家の仲間が急逝した。
奇しくも最後になった仕事が改築された教会の十字架と
バラ窓のステンドグラスだった。
時が過ぎ先日厳かに献堂式が執り行われたが、
数日して牧師さんが感謝をしたいとの事でアトリエに向かった。
その時の様子を伺った後、
離れにある小さなお仏壇の前で故人にお祈りを捧げた。
誠実で頼りになる職人作家だった。
一年が経ち、一人残された奥さんがようやく気を取り直して仕事を続けていた。
以前の様にはいかないが、天にいるご主人と相談しながら何とかやっていると
話してくれた。
令和2年の師走である。
川上