当事務所「旧松岡医院」の話
こんにちは。スタッフの両川です。
いよいよ北アルプスは冠雪し、北の方はいつ里に雪が降りてきてもおかしくない気候になってきました。松本はもうしばらく紅葉が楽しめそうです。

さて今日は、かわかみ建築設計室の事務所について紹介したいと思います。
事務所に来ていただいたことのある方はご存知かと思いますが、弊社が事務所として使っている建物は「旧松岡医院」と言って、市の有形文化財にも登録されています。

この「旧松岡医院」は名前の通り、元々は医院兼住宅として建てられた建物です。外からは石造りの洋風建築に見えますが、実際は木造・瓦屋根の建物で、表面に塗ったモルタルを加工することで石造りのように見せています。
こうした中身は従来の木造でも、外観を石造や洋風に見せかけた建物は「看板建築」と呼ばれています。特に関東大震災の後には、お金はないけど見た目だけは流行りのものにしようと、商店を中心に数多く建てられたようです。ちなみに看板建築という名前は、それから約50年後に建築の専門家によって命名されました。

旧松岡医院も明治期の松本大火の後に、新たな町並みの一部として建てられた建物です(竣工は大正13年)。昭和56年には裏側の土蔵2棟を住宅に改修したことに伴い増築工事が行われました。その後医院は閉院し所有者も転居したことなどから、平成6年には解体の話があがりました。その時に縁があって弊社代表の川上が自ら保存再生した上で活用するという提案をし、所有者の快諾もあって、設計事務所として活用することになりました。その後、弊社で土地建物を購入することとなり、現在に至っています。

今も各部屋には医院だった時の名残があります。事務所にいらっしゃる際には、ぜひ建物にも注目してみてください。


