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その8 民家はそのままで美しい。
前回民家はその造り方も使われ方も合理的で素直だと語ったが、今の時代には寒さ・暗さ・不便さと言った不合理な点も多々あり、改良しなくてはいけないことが多い。活かすか残すかという判断は極めて難しいと思うが、その行為全体が『再生… -
その7 民家は合理的で素直だった。
民家は独特な間取りや外観で個性的で特別な住まい思われているが、その生活ぶりや造り方を辿ってみれば、その全てがごく普通でこれ以上の姿・カタチは無く『なるほど!』と思うしかない。 以前民家は庶民の家で差別用語であったと言った… -
その6 民家はプレハブだった。
木造の民家はしっかり出来ている。 その木組には金物や接着剤をほとんど使わず、木と木を隙間なく組み合わせ、丈夫に造られている。 木と木を平行に繋いだ姿を継ぎ手といい、角度を変えて繋いだものを仕口というが、継ぎ手や仕口の形や… -
その5 民家は粗末な材で無駄なく造られた。
木造の民家はそのほとんどが大きくて立派な木材をふんだんに使って建てられていて庶民には手に届かない贅沢普請だと思われている。 それは全く逆である。 民家に使われている木材を見ると、曲がっていたり割れていたり節があったり、中… -
その4 民家は狭かった?
一般的に民家は大きく立派だと思われているが果たしてそうか?。 今の時代住宅は生活のためにだけの目的で造られているので床面積の目安は一人10坪。たとえば4人家族ならせいぜい40坪ほどでいいことになる。 その昔民家では様々な… -
その3 民家は無意識で個性が無かった
住まいはいつの世も自然条件と社会条件の二つで構成されている。 民家は特にその地域の自然条件(風水害、日射、生物など)に大きく左右され、全国的には多様で固有の形態があるが、その地域では何々造といってほぼ同じ形態であることが… -
その1 民家は差別用語であった?
民家とは古くて立派で逞しい住まいと思われがちだが、江戸時代に始まる用語で、実は武士が『お屋敷』と区別した庶民の住居で農家・町家・漁家などのことで、質も規模も価値が低いとみなされた住居の事を指した。 それは士農工商の身分制… -
民家の話
設計の仕事をして今年で50年・73歳となる。ここまで目標もなく頼まれたものをただがむしゃらにやってきたが、結果として『民家』に至った。そして今、民家に学んでいる。 古民家は今でこそ少し注目されてきたが、今までは役に立たな… -
民家なんでも相談室の開設
民家再生の仕事を続けて40年を超える。当初の試行錯誤からかなりの実績を積んで、自信も着いた。現在も仕事とは別に時々民家に関する相談がある。 価値があるのか?、壊して良いものか?、貰ってもらえないか?・・・。今日も古い蔵を… -
叫び
最近ある茅葺き小屋と土蔵が解体される現場を見た。 茅葺きはかつてお蚕の作業小屋で、土蔵は家財道具や書籍、味噌の収蔵蔵だった。 以前建物の寿命は人の6倍だろうと言ったが、どちらも築100年以上は経って見た目は共に古く見える…