かわかみ建築設計室

ブログ

民家レスキュー隊

民家再生の仕事をして40年、土蔵や付属屋を含め150件を越えた。

思えば40年前、降幡廣信師のもとでその新しさと大切さを知り、この国の住まいのあり方を確信し、今に至っている。こんな考えの拡がりのおかげで規模の纏まった古民家は再生されてきた。

然るに世間では新しさはともかく、どうもその大切さは共有されていない感がある。

そもそも民家とは庶民の一般的な住まいで、大小に関わらず質の高さを維持しながら時代が変われば其れに対応しながらも使い続けられてきた。

然るに現代は目新しい住居がアチコチに出現し、古いものは僅かなものを除いて消滅し続けている。

新しい家の質がかつてより高ければいい傾向だが、残念ながら材料や技、ましてや建物への想いは嘗てより遥かに低いと言わざるをえない。

民家再生を手掛けた仲間ならわかるはずだ。いかに再生された民家が新しいもの以上に蘇ったかを。

もっと言えば新築も古民家に学ぶことが必須と確信する。

だからこそまずお手本である古民家を活かすべきで、その点からも見直す視点が急務である。

50年ほど前、伊東ていじ先生が出された「民家は生きてきた」という本をバイブルであると信じる私は積極的に民家を救いたいのである。

民家の前に立つと全ての民家が助けを求めている。傷みに耐えて悲鳴をあげている。壊されるんだと覚悟を決めている。

その姿を前にして、家に上がらせて貰い何とか活かしますと神前で誓う。

もとより1人では非力で到底達成できないからこそ仲間が欲しい。設計者は勿論職人、施主、文化人など、いわば「民家レスキュー隊」である。仲良し倶楽部でない緊急の助け人の仲間である。

どんな民家でも間違いなく助けを求めている。助けさえすれば間違いなく「この国の新しい住まいのかたち」が見えてくるはずだ。でなければこの国の世界に誇るべき未来はないのでは…。

遅きに失したとはいえ、こんな今だからこそ民家レスキュー隊員を募る。規約はこれから共に考えて。

自然の中の民家1
自然の中の民家2
自然の中の民家3

川上

建築・まちづくりに関するお悩み、ご相談はこちらまで
TEL0263-33-8200
go top