ストーリー
2009年に発刊した『住み継ぐ家の物語』の続編、『住み継ぐ家の物語Ⅱ』が好評発売中です。
最近は、何となくオシャレ…という思いつきでデザインし、耐震性や断熱性をマニュアル通りに確保する…だけでも家ができてしまう世の中になってしまいした。
一方、敷地の歴史背景や周辺環境、暮らし方や求められる条件は、それぞれ唯一無二のものです。長く住み継ぐ家をつくるために、私たちはそれらの条件を解きほぐし、魅力と可能性を最大限に引き出し、美しさと心地よさ、機能や利便性、経済性や安全性を満たすことがわれわれの使命であると考えています。
さらに、私たち建築設計のプロには、あるいは地域に根ざす生活者のひとりとして、建築やまちに向き合う姿勢が求められるものだと思っています。それらがやがて地域性をつくり出し、風土や文化につながるものと信じています。
本書ではお施主様にご協力をたまわり、実際の設計事例やプロセスを通して、われわれの考え方をご紹介しております。さらに川上のボヤキも多数掲載。
県内各書店、ネットショップ等で販売中です。
また当事務所でもご覧いただけます。
お気軽にお問い合わせください!!
目次
特集1縄文のふるさと「平出」
平出を代表する江戸時代からの本棟民家【塩原民家】
第1章風の人 土の人
建築は風土である
30年前に手がけた民家を再び【伊藤邸】山梨県北杜市白州町
建築家のひとりごとⅠ…芸術と民芸、美しさときれいの違いについて
故郷へのUターンを励ましてくれた民家再生【そば処 唐松】長野県東筑摩郡山形村
松本らしい家を求めてたどりついた建築家【午後の喫茶 くるみ】長野県松本市
古い蔵に新たな家族の物語が重なっていく【羽賀邸】長野県安曇野市
建築家のひとりごとⅡ…民家は「用」と「美」
コラム 丑鼻と鏝絵
第2章よみがえる家
建築は時間までもデザインする
築150年の古民家を地元のランドマークに【大雪渓酒造】長野県北安曇郡池田町
特集2「再生」という仕事
民家再生のプロセス……測量〜解体〜古材の搬出/曳き家/再生では建築家は編曲者/吉原民家/米山民家/左官/再生事例
蔵を再生利用した懐かしく新しい家【志賀邸】長野県大町市
繭蔵を安曇野から津久井湖畔へ【梶原医院】神奈川県相模原市
建築家のブログより……残った土蔵、残らなかった土蔵/左官仕事あれこれ/お隣りの土蔵にも左官屋さん/諏訪地方の建てぐるみ/父の国・母の国・そして私の国/本棟造り民家再生と平成の本棟造り/土蔵の活きバラシ/家具の運び出し
第3章そして風景になる
内は自分のもの、外はみんなのもの
若い夫婦が見つけた築百年の安曇野の家【脇本邸】長野県東筑摩郡山形村
緑陰を風がわたる城下町の店舗併用住宅【和菓子屋 藤むら】長野県松本市
高遠の風景に溶け込む自然で心地よい医院【春日医院】長野県伊那市高遠町
老舗旅館をリニューアル。暮らしを楽しむ家へ【青栁邸】長野県千曲市
建築家のブログより……民家村構想/信大授業 須坂、棟割長屋の再生/久しぶりの民家/終の棲家/信州の建築家とは/住まいは誰のもの?
第4章和であり洋であり
「この国のかたち」とは
絵本に出てくるような洋菓子店【アトリエブレ】 長野県松本市
安全と美しさを兼ね備えた礼拝堂の再生【松本聖十字教会】長野県松本市
ドイツ研修の旅
おわりに