かわかみ建築設計室

ストーリー

Vol.1

花や緑をまとい、高台に建つ
レンガと出窓の現代洋風を。

施主の奥様は高校時代の同級生で、40年以上の友達です。地元中堅企業の経営者の家に嫁ぎ、持ち前の明るさでがんばっていたので、嫁ぎ先での苦労話なども他人事のように聞いていました。結婚当初はご両親と同居で、小高い丘の上のお屋敷で専業主婦として朝から晩まで働きづめに働いてきましたが、子どもが小学校に上がる20年程前に、新興住宅地に自分たちの家を購入。そこでの生活になじんだ頃、敷地の南側の一区画が手に入ったことから、「2つの区画を使って大きな家を造りたいから設計してくれる?」との相談を受けました。今から数年前のことです。

story_vol1_02story_vol1_03story_vol1_04

20年前は、あんまり考えずに建売住宅を購入してしまったので、今度はよく考えて造りたい、という事でした。しかし、既存の家は建売ではあっても、まだしっかりしていて、子どもが成長して後を継いだとしても、十分使えると判断しました。そこで、既存の家はそのまま残して、新たな敷地に、自分達の小さな「終のすみか」を造ることを提案したのです。

敷地は一般的な宅地の広さで、高台にあり丘を造成しているので道路より約2m程上にあります。その高低差を利用して、半地下に内玄関を兼ねたガレージを設け、その上に木造2階建てのプランを提案しました。半地下から内玄関を入り階段を上がると直接1階のリビングに行けるようにし、来客用の表玄関も設け、タイルを貼った外階段を上がっていくアプローチにしました。玄関を入ると右側にお母さんの和室と客座敷、左側にはLDKと水廻りを並べました。2階は子ども室と主寝室です。

story_vol1_07story_vol1_05story_vol1_06

story_vol1_08

全体的にはオーソドックスなプランですが、外観やディテールなどは家族の好みを取り入れ、洋風ながらも「松本らしい住宅」になるよう、木を多用して和的洋風に仕上げています。例えば内装についても、木部塗装は古色に、壁はしっくいと珪藻土を左官で仕上げています。また、出入り口の木製建具にもステンドグラスを入れるなど、ちょっとおしゃれで落ち着いた雰囲気になっています。テーブルや椅子もイギリスのアンディークのものを一緒に選びました。

建物が出来上がってから夫婦は四方に庭をつくり、藤棚をしつらえたり、花を植えるなどして、奥の和庭とガーデニングの手入れに余年がありません。またリビングを挟んで奥にはご主人の書斎兼着替え室、手前には奥様のために赤いキッチンセットを入れた朝日の当たる台所を設けたので、それぞれが自分の場を持ち、いい距離感での生活が展開されています。

家移りして数年でお母さんが亡くなりちょっと残念でしたが、座敷には仏壇が作られ今も家族を見守ってくれています。現在は、奥様もご主人の仕事を直接支えながら家事をこなし、しっかりとした家族の要として家をまとめています。いつ伺っても庭やガレージの植木には花が咲き、家の中には埃もなく、風が通り抜けていてとても爽やかです。

家は、とりたてて特別でなくとも、住む人が安心できる場であることが一番かな、とつくづく思います。

建築・まちづくりに関するお悩み、ご相談はこちらまで
TEL0263-33-8200
go top